蒼い栞

過ぎ去ったすべてと僕の愛する人生に捧ぐ

可能性

素晴らしい詩人になったかもしれない サラリーマンもいる

プロ野球選手になったかもしれない トラックの運転手もいる

歴史的な政治家になったかもしれない 大人になれなかった赤子もいる

世界を変えるかもしれない これからの君がいる

 

巡り合わせか時代のうねりか運命のいたずらか

 

それを何と呼ぶのか 僕は知らない

それを何と呼ぶのか 僕は知らなくていい

 

 

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冬が来るたび

冬が来るたび 散っていく葉のように

取り戻すことのできない諸々を

地面を向いて嘆くのではなく

それらが自分を育てる糧となるよう

根を伸ばし 幹を重ね 枝を広げ

また 新しい可能性が芽吹くのです

 

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決意

今、新たな志を擁いた君に届くようにと

蒼天の花びらにのせて散らした想いは

履きつぶしてきた靴の数々を埋め尽くした

 

涙で満たした小さな躰を水面に漂わせて

ゆれる瞳に燃える剣先を映し出した

 

遠くその声は鈍色の心に鳴り響いて

響きは爪先から宇宙の果てまでを貫いた

 

秘密の箱からすべてを振り撒いた後に

一つだけ、この手のひらに掴んだものは

君の…

 

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