蒼い栞

過ぎ去ったすべてと僕の愛する人生に捧ぐ

2016-10-01から1日間の記事一覧

一つの秋

恋しくもなる 優しくもなる それも 秋 みえないものを 一つだけ 信じていこうと 胸に決めた

ファビアンへの追憶

名前もない日々でさえ 失くすことだけ考えた 夜間飛行の彼方まで 伸ばした手の彼方まで パタゴニア機の無線は呼ぶ つたない希望も添えてなお 失くすことだけ考えた その心は遠雷に似ている

懐古

幼いころのことを思い出すと こう胸の奥がキュンとする 嬉しいからでも 悲しいからでもない どんなに手を伸ばしても届くことのない あのころが眩しくて苦しいだけなんだ だけど 僕はあのころを思い出す 忘れるということは とてもとても悲しいことだと思うか…

星空の下で 遥か彼方の激動を想う ベッドの中で あの娘の幸せな未来を想う 果てしない流れから切り取られた瞬間に 確かに自分はここに在る 悠久のほとりからは一瞬の光 きっと宇宙より広大な心をみつける 切なくも愛おしい心をみつめる

手紙

大地を踏みしめ 海を聴き 風をかいで 夢を見て 君を想う

鈍色

約束は遠い日の手のひら 知りたかったのはあたたかい涙の理由 不自由な体を残して 心は前へ 動く 翔る ただ一つの鎖につながれて