蒼い栞

過ぎ去ったすべてと僕の愛する人生に捧ぐ

詩(20〜25)

濡れた涙

愛に憧れた 君に出会った今は こぼれ落ちそうな夜に走ってゆくよ 不機嫌な君の髪が流れて 涙はずっと…

晴れのち花

もらってばかりで 何かをあげたことなんてあったろうか ひとしきり ひとりきり さよならが降る 世界には悲しいことなんて いくらでもある 今ここにある小さな幸せも世界のすべて この世界で 創っていけるのは未来

流れ星

やさしい日々を追いかけていた 明日の僕 君の瞳に映った空は 虹を待っていた 深い空に浮かぶ月と目が合えば 別世界に行けそうで 流れ星がみつからないなら 心で感じよう だなんて言ってた でも ほんとは星より君を見ていたかったんだ ほら星がひとつ流れた …

君へ

光も 夢も 明日も 命も 想いも 言葉も 挫折も 愛も 過去も 笑顔も 世界も すべて君のもとへ

紅茶とマフラー

どこか懐かしい 白い壁が立ち並ぶ街 枯れ葉を踊らせる つむじ風はもう消えた グレーのマフラー 高まる心止めないで 魔法の夜に投げたボール 明日に届く ぬるい紅茶の澄んだ色 まだ行かないで 風車は星屑を眠らせ 風を呼び起こす この次 ふたつの針が出会うの…

だからこそ

傷ついてこそ輝く ガラス玉はあなたの心

答え

そこに答えはない あるとすれば、 それは 君の後ろ姿

ノスタルジア

キンモクセイの夜 胸を抜ける粒子が 何度でも僕を少年に戻す からっぽの心を残して 煌めくときを溶かして 朧月の下で詩う

冬が来るたび

冬が来るたび 散っていく葉のように 取り戻すことのできない諸々を 地面を向いて嘆くのではなく それらが自分を育てる糧となるよう 根を伸ばし 幹を重ね 枝を広げ また 新しい可能性が芽吹くのです

決意

今、新たな志を擁いた君に届くようにと 蒼天の花びらにのせて散らした想いは 履きつぶしてきた靴の数々を埋め尽くした 涙で満たした小さな躰を水面に漂わせて ゆれる瞳に燃える剣先を映し出した 遠くその声は鈍色の心に鳴り響いて 響きは爪先から宇宙の果て…

懐古

幼いころのことを思い出すと こう胸の奥がキュンとする 嬉しいからでも 悲しいからでもない どんなに手を伸ばしても届くことのない あのころが眩しくて苦しいだけなんだ だけど 僕はあのころを思い出す 忘れるということは とてもとても悲しいことだと思うか…

鈍色

約束は遠い日の手のひら 知りたかったのはあたたかい涙の理由 不自由な体を残して 心は前へ 動く 翔る ただ一つの鎖につながれて

世界

あなたが世界と呼ぶそれは あなたの知らないすべてのこと

もう少し

ありふれた人生 もし それを夢と呼ぶのなら もう少し強くなれたのに