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蒼い栞

過ぎ去ったすべてと僕の愛する人生に捧ぐ

呼吸法

生ぬるい対流のすき間から

眼を閉じて感じる一つの風

僕はそれを鼻の奥から吸い込む

深く

深く

 

肺胞の一つ一つの膨らみを感じながら

全身を透き通る液体が駆け巡るのを知る

 

空気の流れは止まり

満ち満ちた安堵に似た感情が湧く

 

 

しばらくして

自身の一部を内面から引き剥がす

 

温かな僕の心は

幾重にも分かれた気管支を辿り

四方を集めて逆流する

それはゆっくりと風船が萎むよう

 

すぼめた口で織り成す吐息は

すべての思いを捨てるべく

唇から世界へと溢れでる

 

その普段通りの所作の中に

ただ生きているという所作の中に

大切な何かが隠されているような

そんな気がするのです

 

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